K子の旅だけじゃないログ

K子の旅だけじゃないログ

旅好きOLのいろいろ記録

トルコでキリムを買った話(前編)

この記事をシェアする

アゼルバイジャンはバクーの絨毯博物館の存在を今年初めくらいに知って行きてえええええってなってたのですが、こんなことになってしまってコロナ以前の問題となりもーもーもーってなってます。絨毯博物館行きたい!

なので、丁度一昨年の11月頃イスタンブールでキリム買った話と絨毯博物館行った話でも振り返って気を紛らわせようと思います。

 1.トルコに行くならキリムを買おうと思った

買おうと思いました。だって布、好きなんだも〜ん!
元々民族的なものや布が好きなことに加えて、旅先で買えば絶対愛着ある一生ものになるじゃないですか!と言うワケで、トルコには主にエフェソス目的で行くことにしていたのですが、
イスタンブールでキリム買う」が第二目標
になりました。イスタンブールはそりゃ産地ではないのですが、都会なので良いものが集まるわけですよやっぱり。なのでイスタンブール
同じ年にインドのカシミール行っててでもまったく買う気で見なかったの少し後悔してるのもあったんですけどね。宿の人の強い勧めで「見るだけな!!!!」って言って絨毯の工房も見学してるんですけど(絨毯屋の社長に織り方とか教えてもらって「彼女は買うより作り方に興味があるみたいだよハッハ」て言われるの巻)、作り方とかかる時間を見て聞いて(なおもはや値段はきいていないし過程を知ったら値切れないと思ったし)良い絨毯は買えないなと思ったので、今回も絨毯ではなくキリムを買おうと思いました。キリムだってらくらく作れるわけではないけど、絨毯に比べれば時間はかからない筈です。
まあそれに今犬飼ってるんで、良い絨毯敷いて粗相にピリピリしたくないじゃないですか。
なので取り敢えずは壁掛けによいキリムをひとつ見繕うことにしました。

せっかくなら自分のインスピレーションだけでなく、きちんとお店の人の意見もきこうと思って(それにたぶん山ほど在庫あるしある程度希望伝えて出してもらわないといけないし)、ここに飾るキリムが欲しいんですと説明するために写真も用意しました。

f:id:typekk:20201103171454j:plain

f:id:typekk:20201103171457j:plain

こんな部屋のここに飾りたいです。

2.どこで買う?

が!!!!!!

イスタンブール×絨毯屋=詐欺

コレ旅行者なら誰でも知ってる公式ですよ!

勿論絨毯屋ぜんぶが詐欺のわけないんですけど、ほんとイスタンブールで絨毯屋って言ったらもう詐欺しか頭に思い浮かばないくらいなんですよ。たぶん現地の人だって(レストランやらホテルやらだって)調度品としてちょっといい絨毯やキリム買ったりするだろうから、普通のお店だって存在してると思うんですけど、そんな普通のお店でも旅行者相手だったらボッタクるかもしれないし、もう分かんないですよね。

そんなところに自ら足をつっこむわけで、下手したらカモネギです。

これは行きずりの店に入るのは危険すぎる。
それに高級すぎて買えなかったり、気に入る品がなかったり、お店の人のノリが合わなかったりしても、そんなにキリム見るだけに何日も費やすわけにもいかないので、これは下調べが必要だなと思いました。

なかなか詐欺とツアー以外で絨毯買ったひとの話に当たらなくて、結局英語のレビューも含めtripadviserやGoogle MAPの口コミなどを参考にした結果……

www.tripadvisor.jp

この良いものがある・ボラない・押し売らないとのレビューが並ぶ「モチーフクレクション」に狙いを定めました。トリップアドバイザーのイスタンブールのショッピングランキングで7位ですから!絨毯専門店ではぶっちぎりの1位ですから!!

絨毯屋なのに7位ですから!

……トルコの絨毯屋に不信感抱き過ぎ?

3.1回目の訪問

そうです。1回では買わないと最初に決めていました。
最初から「1回は見て、一晩考えて、翌日買う」と決めておくことで、自分にもセーブをかけようと言う作戦です。自らの焦りが敵となることも充分考えられます。そんなワケでイスタンブール入りした初日の夜にモチーフ・コレクションを訪れました。

緊張していたらしく店舗の外観を写真に撮ってません。

Google MAPの写真でも見てください。結構かわいらしい外観であまり威圧感がない。小さいと怪しい、大きいとなんか高級そうと言う不安感を絶妙に軽減してくれます。

最初モソモソと入口の小物など見ていたのですが意を決して、キリムが見たいです!と伝えます。絨毯屋ってものがものなので展示販売ってできなくて、店員さんに用途や好みや予算を伝えていろいろ出してもらうしかありません。コミュニケーション必須なのです。

コミュ障にはハードルの高い買い物なのです。

なので、結果買わないことはあっても冷やかしはできないお店でもあろうと思います。お店の人にもそれなりに手をかけさせるしね……。

壁にかけるキリムが欲しいと伝え、事前に用意してきた写真も見せました。

f:id:typekk:20201103171457j:plain

ここに飾りたいです。

壁がピンクと言うのは合わせとしてもわたしの好みを知ってもらうにも重要な情報だと思いましたし、洋服では一般的でないけど着物では一般的な色合わせがあるようにトルコ的な感覚?みたいなものもあるかもしれないし。そしていちばん大事な予算も伝えました。

今回のご予算はどどんと(?)300ドルです。

絨毯屋としては大きい商売ではないと思いますがわたし的には結構な大金ですとも。
合点承知した絨毯屋のおにいちゃん、そっからはどんどん商品を広げていきます。
だいたい同時に3~4枚広げて、そうすると中でも気に入りそうなものに手が伸びるじゃないですか。したらその傾向を見て更に3~4枚出して……とこっちの様子を見ながらどんどん好みに寄せてくるんですよ。すごい。

あと無限に出てきます。

すごい。

決められないよ。

決められないですがある程度はしぼっていく必要があるので、ある程度のところから数を減らす作業に入ります。似たようなものの中から1枚に絞り、系統が違うけど気になるものと言う感じにしぼっていきます。なおそんなに喋ってないけどおにいちゃんがなんとなく察してしまったりまた広げたりしてくれるので、ほんと絨毯屋のおにいちゃんはすごいと思いました。

その結果、最終候補メンバーが決まりました。

f:id:typekk:20201103171505j:plain

①壁がピンクだから黄色合うと思うとお勧めされたもの

分かりやすくわたしも好きそうなパッキリしたきれい色。いいですね。

f:id:typekk:20201103171501j:plain

②ピンクが少し入って馴染むと思うとお勧めされたもの

ちょっと落ち着きがありながらもピンク・茶色・グリーン系と言う色合わせが愛らしい。そして、お祈りマット(礼拝のときに敷いて使用するもの)なのもなんだかちょっとそそられる。

f:id:typekk:20201103171521j:plain

③たぶんわたしがさっきの気に入ってたので出してくれたやつ。

さっきのような茶系の入ったものをいくらか見ていたので出してくれたもの。
赤が印象強いけどオレンジとグリーンが入ってるからピンクの壁にも合うと思うって言われてそうだね〜、茶色でちょっとしまるし赤も好きな色なんだよね〜かわいい〜ってなりました。

f:id:typekk:20201103171517j:plain

④赤系ならこちらも?

そして少し落ち着いた色合いの赤系も。こちらもグリーンが入っているのでピンク壁にもマッチすると思われる。ちょっと落ち着きあるのも良いな……。これもお祈りマット。

f:id:typekk:20201103171509j:plain

⑤更に渋い感じ

これはたぶん仮に自分だけで見れたとしたらじっくり見ようとは思わなかったと思う。
出されてよくよく見てたらアリなんでは……?と言うかカワイイ!ってなったので、店員さんとお話ししながら買うのもよいものです。(まだ買ってないけど。)
他が落ち着いているので黄色が際立ちます。あとグリーンの色味がミントっぽい。

f:id:typekk:20201103171513j:plain

⑥斜めのしましま

これも出してもらって眺めてたらじわじわ良いのでは?と思えてきたやつ。
縁の模様がハートっぽい。斜め模様はアレですラーメン鉢の縁のやつ……!

そして勿論お値段も確認しました!

f:id:typekk:20201103171528j:plain

はうまっち?

きちんと予算内のものを出してくれています。
値段の違いはなんとなくモノを見たら理解できました。単純に大きさの大小もあるし、大きさが同じくらいなら織りの細かさが違ったり、糸の太さが違うなと。あとは厚みと言うかしっかりさと言うかですね。糸が太くて粗いほうが厚みはあるのにペラペラしちゃうんですね。
品質の良いものには良い材料を使うのがバランスというものなのか、織りの細かいものの方が手触りも良かったし、色味も一見地味なんだけど繊細な感じで良いものが多かったです。
例えば①のオレンジのは大きいので高いのですが結構ペラペラしてて、③は①よりは小振りなんだけどみっちりしててしっかりしてました。
みっちりしっかりしてて①くらい大きさあると良いんだけど、たぶんわたしの予算の限界がここあたりなんじゃね?って感じ。まあ壁掛けが目的だから……。
なので、大きさ優先&やや小ぶりだけど品質優先の両面から選んでくれた感じがします。
でわたしが結局品質優先方面に走ったので(色柄もそちらのがよかった)、大きくてお手頃なのは①しか残らなかったのです。

基本予算内(もしくはちょいオーバー)くらいのを出してくれてるだろうと思ったので、ある程度数を絞るまでは値段は確認してなかったのですが、きちんと予算に収まるものだけを見せてくれていました。
予算オーバーのものでも見せたら買うかも?とか言う色気がなくて信頼できる対応です。
その上、一晩考えたい旨を伝えて、検討のために写真を撮らせて欲しいと伝えるとこころよく写真を撮りやすいように1枚ずつ広げ直してくれました。そして写真とメモを見せながら価格に間違いのないことも確認、そういうのにも嫌な顔せず付き合ってくれました。

ゆっくり選ばせてくれる店、最高!

フレンドとかスペシャルプライスとかって購入を急かしてくるパターンも想定していたので、ほんとうにうれしかったです。だいたい購入を急かされて買うと後でやはりぼったくられたのでは……?などとモヤモヤしてしまいがちなんですよね。

交渉の発生する買い物、すごく苦手だったんですけど、簡単なこと、嫌だと思ったらやめる、それがなかなかできてなかった。この「嫌だと思ったらやめる」を商品と価格のバランスのところだけで見極めようとしてたから難しかったんだなと。そんなもん(適正価格)正直分かるわきゃないので、要は売り手を信頼できるかどうかなんだなと。
だから相手の態度が嫌だな合わないなと思ったらやめればいいんだなと思いました。
2016年にウズベキスタン行ったあたりで、値切ったけどモヤる買い物と値切ってないのにそうでもない買い物と経験して、少し分かりかけていたことがようやく腑に落ちたのでした。

と言うことで、おにいちゃんに明日の営業時間を確認して店を後にしました。

ちなみに途中でそこらにぽいって置かれてたちっちゃい絨毯(手触りからしてシルク)を眺めてたら何枚か見せるだけ見せてくれたんだけど、40cm四方くらいので10万くらいしました。ヒエッ!ってなるけど、いつまでも触っていたい手触りに布とは思えないほどの光沢、見る角度を変えれば色味が鮮やかに変化し……とそれだけのお品なんだなと思いました。
仮にもし絨毯を買うことがあったとしてもウールしか買えねえ……。

4.おまけ

その後、レストランで晩飯食べた後、チャイ(無料)飲みながらこの写真をじっくり見てたら、頼んでないオレンジティー(有料)が出てきたんですよ。

f:id:typekk:20201103185258j:plain

たのんでない。

店員さん「サービスだよ!」

どうも……とやや不安感を覚えながら既に出てきたものなので手をつけたら案の定、店員のおにいちゃんがやってきて、何見てるの?絨毯屋行ったの?そっか〜俺はこれがいいと思うけど……

よかったら知り合いの絨毯屋も今から見に行かない?

ハイ来たァァァァァァァァ!

駄目なやつ!コレたぶん行ったら駄目なやつ!!
イヤ分かんないけどね知り合いの絨毯屋意外といいやつかもしんないけどねハイリスク過ぎでしょ!!!しかも今何時だよ!?(22時回ってる)

ここで買う約束してるから(してない、買うなら明日も来るって言っただけ)って丁重にお断りして、ホテルでベッドに入った後も写真を眺めながらうんうん悩んだのでした。

ちなみにおまけのおまけだけど、絨毯詐欺パターンもいろいろあって、

おそらく適正価格の買い物なんだけど別に欲しくないのに買わされちゃったパターン

note.com

ゴリゴリの詐欺ではないかと思われるパターン
(プレゼントされた絨毯の送料として高額な支払いをさせられている)

jp.itokin.co

※絨毯が届くか届かないか届いた絨毯の品質、買ったか貰ったかなどいろいろ派生はあり

まあ検索すると枚挙にいとまがないし、割とこなれたひとがひっかかってる印象なのインドのパハールガンジの詐欺にも似ているなあと思いました。
何にせよ、イスタンブール(特にスルタン・アフメド広場付近)で日本語で話しかけてくるやつは全員無視したほうが安全だと思う……。(めっちゃいるけど。)

つづきはこちら

typekk.hatenablog.jp