K子の旅だけじゃないログ

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旅好きOLのいろいろ記録

トルコでキリムを買った話(中編)

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はいちゃんと勢いで書き切りますよ、後編です!長くなったので中編にした!
前編はこちら。

typekk.hatenablog.jp

勿体ぶらず結論を言います。

どれでもないやつを買いました。

そのあたりの経緯や購入したキリムの現在の姿を見せびらかしご紹介したいと思います!

 1.意を決して絨毯屋を再訪

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今度はちゃんと写真を撮るがボケた。

と言うことで一晩考えて翌晩再度モチーフコレクションを訪れました。

当然、しっかりこちらを覚えているお店の人。
手際よく昨日最後まで候補に残った6枚を並べてくれました。

ちなみに、純粋に色柄が気に入ったのはコレ。

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エントリーNo.2のお祈りマット150USD/810TL

ですが今回の壁に飾る用途としては壁面に対してサイズが小さいのでやめました。
そこで最後まで残ったのが……

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エントリーNo.1、やや造りが大雑把なものの大きさ充分&色が好み250USD/1,350TL

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エントリーNo.3、①より小振りながら造りが細かくしっかりしてる200USD/1,080TL

このふたつ。オレンジっぽい黄色の色味が好きで、どちらも好きなんだけどこっちに決めた!って言う決め手には欠けて、現物をもう一度見てどちらにするか決めようと思ってたのですが……

やっぱり決められねええええええ!

2.買いました。

2枚のキリムを前に沈黙するわたし。おにいさんもそれをじっと見守る。
わたしの英語力の問題で繊細な会話はできないのが大きい。)

そして徐にゴソゴソと無言で別のものを広げるおにいさん。

えっ……コレすてきやん……?

ひとめで気にいるわたくし。
大きさもちょうど良い、造りもしっかりしてる、何より色味がとてもきれい。
なんつーかこう、うまく言えないけど今まで見たやつより一見地味っぽい落ち着いた色合いなのに発色が良いと言うか。
おにいさんは厳かに言いました。

YOUの予算はオーバーしてるんだけど

…………だろうと思いました!!!!!
僅かとは言えこれでも昨日からいろいろ見せていただいて、なんとなく少なくともこのお店での値付けの感覚は少し把握できていました。
それから言うとコレ良いけどお値段も良いんでしょう?って思いました。
果たしてぺろりと端をめくると400USDの値札がありました。

そうそう、言い忘れてたんですけどこのお店ぜんぶの商品に値札があって基本は定価販売なんですよ。値札見つけづらいし値札探していじくり回すのも品が良くないかなと思っておにいさんに尋ねてましたが値札があるんです。
そう言う意味でもとっつきのよいお店だと思います。

イヤうんでもちょっと予算出しただけでだいぶ変わりますねと言う感じ。
①のオレンジを引き合いに出して、

・鮮やかなのは化学染料も使ってるけどこれはぜんぶ天然の染料を使ってる
・(裏返して)織の密度が違う
・(端の房を見せて触るように促し)ウールだけでなくそのままの獣毛(山羊)も使っているのでしっかりしている
・程よい厚みと硬さで掛けてもいいし敷いても使える
・あといろんな種類の縁起モチーフ超てんこ盛り

と言うことを説明してくれました。
長く使うものだから用途が限られないほうがいいと思うし、高いけどその分の価値はあるしそしてモノの割にはお得だと思うし、でも予算はオーバーしてるし、こっちの2枚も決して悪いものじゃないからよく考えて選んで的なことを言われました。この値段でもなかなかお買い得なんだけど、二度も来てじっくり考えてくれたので380ドルにまけるよとも。

これね、初見で言われたらたぶん疑ったと思う。
予算以上のものを買わせるための方便じゃないかってね。
でも昨日、きちんとこちらにつきあっていろいろ商品出してくれて、今日来るかどうかもわからないのに検討のために商品の写真撮ったりするのにも嫌な顔せずつきあってくれて、急かさず無理に買わせようともしなかったのに、今晩ここに来たら昨日見た商品を別の場所に避けて取り置いてくれてた。信頼できるなと判断しました。

でもやっぱり高いし①も③も嫌いではないので悩んだんだけど、

仮に全部同じ値段だったらどれを選ぶ?

って考えたら迷いなく今新しく出してくれたやつだなって思って、今までの経験から絶対出せないお金ならともかく出せなくもない金額のために妥協したら後悔すると思ったので、

コレにします!

と言うことになりました。

関係ないけど、絨毯屋のおにいさんはわたしを実年齢より若く見積もったんじゃないかと思う。なので予算より高いものを見せるか見せないか悩んだんじゃないかな。
あんまりお金持ってそうに見えないほうが気楽に買い物できるところはあるなと思います。
(程度問題はあるけど。高級店で客扱いされないとかはもしあったら悲しいし。)

3.おまけの買い物とお勘定

あと絨毯屋来たらもうひとつ欲しいものがあったんです。

キリムのクッションカバー!

もしキリムがあんまりにも高かったり何か買わないと逃げられないとかになったら見せてくれって言う逃げ道のつもりでもありましたが(どんだけ絨毯屋を恐れていたの……)、どっちにしても欲しかったし大きな買い物を決めてほっとしながら、おにいさんにお土産にキリムのクッションカバーも欲しい旨を伝えると、ロフトみたいな2階に案内されました。

堆く積み上がるクッションカバー。

コレ全部クッションカバーですかい……決めるの難儀しそうだな……。
胸の高さくらいまでのクッションカバーの山が足の踏み場もないくらいあるんですよ。
自分で見て良いようだったので地層の側面から気になる色のものを引っ張り出すと、それを見たおにいさんが似たようなのを何枚も広げてくれると言う、絶対決められないじゃんコレタイムが始まりました。だいたいこの地層から目当てのものを引っ張り出してくるのがすごいよ。
絨毯屋さんって客の好みや予算に合わせて素早く的確な提案をしていく必要があるわけで、センスのいる仕事だなって思いました。

なんとか無限地獄からこの2枚をチョイスしました。

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秋冬用にしようと思ったので質感のゴツいものをチョイス。

たぶん両方ともお花系のモチーフだと思う。
クッションでワンポイントにするので派手っぽい色柄のにしました。
クッションカバーは1枚20ドル12.5ドル。表地がキリムや絨毯と同じで裏地は無地のキャンバスでしっかりしたファスナーがついていますが、多少品質にバラつきはあるのでファスナーの開け閉めも確認しながら選びました。
表地は最初からクッションカバーとして作ったのかな?と言う整ったきれいなものから微妙にバラついてたりほつれとかあるのまでさまざまでまあこのへんは好みかなと思います。

で、お会計タイム。基本は定価販売と口コミできいてはいたのですが、まあ駄目元でちょっとだけまかってくれない?ってきいてみました。
おにいさんはん〜って顔をしましたが、

そんなにまかれないけど、端数を切ってクッションカバーをもう1枚つけるよ

と言いました。じゃあそれでって言ったらおにいさんちゃっかりさっきわたしが迷ってたやつ持って降りてんじゃん!交渉してくるのを予想してたんですね!で、写真の1枚目と同じ布でちょっと柄の出方の違うものをいただきました。
違う柄にするとどれ手元に残すか迷いまくりそうだったし。

と言うことで、

キリム 400USD
クッションカバー 20USD12.5×3
合計 437.5USD

キリム 400USD
クッションカバー 20USD12.5USD×2
クッションカバー おまけ×1
値引き △5USD
合計 420USD

のお買い上げとなりました。
ちなみに値札はUSDでついてるんですが、決済するときはその日のレートでTLに換算してカード決済します。

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なのでUSDとTLを併記していた。

TL換算でいくらだったかちょっと残してないんですけど、昨日のメモからすると1USD=5.4TLくらいなので、2,268TLあたりですかね?日本円の請求額が48,543円でしたので、もしそうなら1TL=21.4円となり、当時の11月末頃のレートが22円弱くらいなのでおおよそ一致しますね。
なんでこんなめんどいことするんやろと思いつつ、なにぶん複雑な会話はできないのできけずにいたのですが、

kagoshima-kara-mile.com

こちらのブログで紹介されているのですが、

絨毯の正札はドルで記載されています。
(トルコリラの変動が激しいからとの事。ちなみに6年前は1TL=約37円、2019年12月は1TL=約19円)
その為、最終的な絨毯の値段はドルで決まりました。

なるほど、日々在庫が入れ替わる食品などと違い、昨日仕入れたものが売れるのは数年後かもしれない……となるとこうなるのかも。まああとは自国の通貨への信頼性の問題か。
対外価値で変動があっても国内の生活に影響がなければこんな対策は必要ないと思うんですよね。でも対外レートの変動とともに生活にかかるコストも変動しちゃう恐れがあるんでしょう。
このあたりミャンマーとかウズベキスタンでも感じたことですが、日々当たり前に受け入れていること(=この場合は日本円の信頼性)の中に他の国では当たり前ではないことがあるんだなあとつくづく実感します。安心して自国通貨で資産を持てるって便利なことですよ。

つまり(?)、いくらトルコリラが暴落しても絨毯やキリムはお得には買えないのでご注意ください、と言うことですね。ドルが下がったら狙い目!
絨毯屋以外ももしかしたら個人のお土産物屋とかはドルで値付けしてそうですね。

4.絨毯屋のおにいちゃんと晩飯を食った

そんなこんなでわたしも大満足して和やかに商談(大袈裟な)がまとまった後、おにいちゃんは言いました。

「もうじき店閉めるんだけど、晩飯御馳走するよ。どう?」

……どうしよう。

絨毯屋としてのおにいちゃんのことは信頼しました。が。

もう絨毯買ったしもう騙す要素ないよな?
(しかし前編で紹介した絨毯詐欺などもそうなんだけど、打算のない親切と見せかけて後々詐欺にかけると言うのは常套手段なのでなんとも言えないのだ……。)

そしておばはんとは言え異国の地で初対面の異性に誘われて飯を食うと言うのはなかなか緊張感があります。そうでなくてもそもそもコミュ障なので一般的に危険はなくても初対面の人と飯を食うのはなかなか体力がいるんです。

しかし実は昨日のレストラン(ホテルで勧めてもらった)が激しくハズレでもなかったんですがアタリって感じでもなくて、でもホテル付近割と似たようなツーリスティックなお店が多くてどこで晩飯食べるかは割と悩んでたんですよね。

ローカルについていけばうまいものが食えるのでは?

この一点の誘惑が大きく、キリムを購入した体験からの信頼もありおにいちゃんの申し出を受けることにしました。一度ホテルに買ったキリムを置きに行き、店が閉まる時間に店の前で待ち合わせる運びとなりました。

いざとなったら走って逃げれば良いし!

そんなワケで再度お店に集合。
おにいさんに案内されながらブラブラ歩いて、おいしいイスカンダルケバブが食べられると言うお店を目指します。そうなの!イスカンダルケバブ食べてみたかったの!くそうなんでツボを押さえてくるんだ!!15分くらいかかりました。

場所を聞かずに歩いていたので、結構かかるな……ほんとに大丈夫か……とか思ってたら、警戒心があらわになっていたようで3回くらい大丈夫だってとか言われました。明日仕事で出張するから朝から空港行くしほんと晩飯食うだけだからとかも言われた。どんだけ警戒してんだよ!
他人事だったらそこまで心配だったらやめろよって感じですね……我ながらウザい……。
あとは雑談などしながら歩きましたが、我ながら「毎日車で通勤してるけど、イスタンブールで運転するのはすごく難しそう」は近年稀に見る語数を喋ったと思います。

普段は三語文くらいが限界です。

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賑やかなテラス席

で、着いたお店はこんな感じでした。健全な雰囲気です(笑)!
地元の人が多くそれでいて清潔感もある。と言うかもちろん小汚いローカル食堂もいいんですが、地元の人が好むのは案外清潔でそこそこ小洒落たお店だったりとかありがち。
その上、給仕さんが渋みあふれるおじさまなのも好みです。
イスカンダルケバブでいい?スープいる?と言われたので、おまかせにしました。
飲み物はと言われたので、トルコ来てからお気に入りになったアイランをと伝えたらニッコリされました。異国の人が自分の国の食べ物気に入ってくれるとうれしいですよね。

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アイランがあわあわ

アイランめっちゃ泡立ってるw

レンズ豆のスープがめっちゃおいしいです。何のスープってきいたら、しばらく英語でなんて言うんだっけ?って考えてたんですが、あの……メガネの……みたいになって、レンズだ!ってなったりしました。

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でっかい!

そしてメインのイスカンダルケバブ

お肉たっぷり!ヨーグルトたっぷり!

なおお肉をはぐるとノンみたいな感じの平たいパンがたっぷり!さっきスープといっしょにでてきたパンも美味しくて少し食べちゃったわたし大ピンチ!
青い唐辛子みたいな野菜がいてビビリましたがそんなに辛くなかったです。
すっごい美味しくて途中案外完食できるのでは……?と言う希望がよぎりましたが、希望ははかなく打ち砕かれ、すみません腹いっぱいですと言う羽目になりました。
さも意外な顔をされたんですが、すみませんトルコでは女性もこのくらい余裕で食うんですか……?そこんとこどうなんですか……?

御馳走するとは言われていたものの、ほんとに支払わせるつもりはなかったので半分出すと申し出たのですが、イイヨイイヨと結局おごっていたたきました。2人分で100TL前後お支払いしていたと思うので、高くもないですがお安くもないお店って感じでした。

で、そのあともう少し散歩しようとか言われてガラタ橋のあたりで別れました。
ホテルまで送ると言われたんですが、すみません流石にもうそんなに疑ってはないですが(ちょっとは疑っとんのかい)、

コミュ障的に他人と過ごす時間の限界です。

あとやっぱなんか写真撮ったりとかしづらいし……?
その後、ブラブラ写真撮ったりしながらホテルに帰りました。

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わたし的にいちばん好きだった界隈

イスタンブール、夜も賑やかで楽しいね!
この建物の最上階あたりにボロ屋に住む謎の東洋人として存在してみたい。
(なんか下はお店だけど上は廃墟っぽいんだよなこの建物……。)

5.絨毯博物館へ行く

イスタンブールに絨毯博物館がある!と言うことに気付いて、初日に買ったミュージアムパスの対象外(ってもまあ入館料10TL)にも関わらず行く気満々でした。
特に何するか決めてない最終日、ホテルチェックアウト後にぶらりと訪問。

場所はこの辺り。

アヤソフィアにひっそりくっついている感じの場所です。
入り口とバナーフラッグがもう格好良くて高まる期待感。

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入る前からワックワク

で!もちろん!!中も激熱でした!!!

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大きな年代物の絨毯がずらり

時代や地方に分けてモチーフの解説などもあり大変勉強になりますが、なにぶん右から左なのは否めない。しかしそれでも目の前にある物のうつくしさはやはり身に染みる。

特に気に入ったのはコレ!

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やぎさん!

山羊モチーフ!
模様からして二つ折りにしてかけて使うタイプの絨毯ですね。鞍がわりとか。コレはでっかいから違うだろうけども。自分でもいつからかよう分からんのですが山羊すごい好きなんですけど、二年前には既に好きだったようですね。きっかけも時期もよく分からない……。
この前沖縄では山羊の皿を買ってめちゃくちゃ気に入っています。

typekk.hatenablog.jp

すごく、すごくよかった絨毯博物館。しかもオフシーズンと言うことを差し引いても人が少ないのでかなりゆっくり見られました。宮殿やモスクにあった大きな絨毯が展示されている部屋には椅子まであって座ってゆっくり眺め放題。
しかししみじみと、

買った後で見に来てよかったな……!

と思いました。ここに先に来てたらちょっと身の程に合わない高価なものを買い求めてしまった可能性があります。ちなみにとってもすてきな絨毯博物館ですが、図録はもちろんのこと絨毯をモチーフにしたクリアファイルや一筆箋などのすてきグッズが作り放題ってなもんですが、物販は一切ありませんでした⭐︎

作れよグッズ……!
(せめて図録だけでも)

おかげさまできれいに写真を撮るために三周しました。

6.これが買ったキリムです。

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ドヤアアアアア!

大きさは75cm*125cmほど。
わたしがかけたい壁にかけるのに程よい大きさですが、ベッドの脇とかこうやって机の上とかどこにでも使いやすい大きさです。色味が上品なのに良い発色なんですよ。
ひとめで気に入ってしまいました……!

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すてきなチャイグラスと

こうやってHafiz Mustafaで買ったすてきチャイグラスをのせても絵になると言うもの。

しかし実はこのキリム、ここから実際壁にかけられるのは1年半後となるのであった……!

つづきはこちら

typekk.hatenablog.jp

2020/11/5 一部訂正、価格が記憶と違ってたので修正。(合計のお支払いは変わらず。)